古舘伊知郎氏がアダルトチルドレンという言葉を報道ステーションで誤用し、謝罪しました。
古舘伊知郎氏と言えば、テレビ朝日系の報道番組『ニュースステーション(Nステ)』の後番組である『報道ステーション』のメインキャスターですね。総合ニュースエンターテイメントなどとも紹介されている『報道ステーション』ですが、この番組の中で、古舘伊知郎氏は、「アダルトチルドレン」という言葉について2008年2月13日の放送で誤って使ったとして、2月14日(バレンタインデー)放送の『報道ステーション』で謝罪しました。アダルトチルドレンという言葉はもともと精神医学的な用語として広まり、アルコール依存の親がいる機能不全家庭で育ったことなどにより、成人してもなお心理的外傷を持っている人のことをいいますが、古舘伊知郎氏は「18歳は成人か」というニュースのなかで、「立派な大人なのにぜんぜん子供」「がまんできない」といった意味合いで「アダルトチルドレン」という言葉を使いました。「本当に苦しんでいる方々に失礼なことをしたと思っております。本当に申し訳ありませんでした」「以後こういったことを気をつけたいと、真剣に思っております」という古舘伊知郎氏の頭を下げての謝罪は誠意ある対応として受け止められたのか、『報道ステーション』の視聴率はその後も安定しているようです。
アダルトチルドレンという言葉を間違った意味で使ってしまい謝罪した古舘伊知郎氏ですが、氏の音声は、『報道ステーション』をはじめ、プロレスの実況や、『夜のヒットスタジオ』などで多くの人が聞いたことがあると思います。古舘伊知郎氏の経歴を見てみると、1954年12月7日、東京・滝野川生まれで、1977年に立教大学を卒業、テレビ朝日にアナウンサーとして入社しています。プロレスの過激な実況で人気アナウンサーになり、アントニオ猪木全盛期、新日本プロレスの黄金期を支えてきたと言えます。1984年にテレビ朝日を退社し、芸能事務所「古舘プロジェクト」を設立しています。その後もたくさんのテレビ番組に出演し、1988年には「スウィートホーム」という映画にも出演しています。NHKでは朝の連続テレビ小説「君の名は」でドラマに挑戦したり、紅白歌合戦の白組司会を1994年〜1996年にしています。F1や格闘番組などさまざまなスポーツの実況で数多くの名言を残し、それらは古舘伊知郎語録として知られています。歌や朗読のCDも出し、声の仕事のベテランとも言える古舘伊知郎氏ですが、アダルトチルドレンの例のような発言で、氏のキャスターとしての資質を疑問視する声も出ています。
古舘伊知郎氏のニュースキャスターとしての発言やスポーツ中継の発言に対しては、批判的な意見も好意的な意見もどちらも多くあり、人によって非常に好き嫌いの別れる人物と言えるのではないでしょうか。アダルトチルドレンの件では、アダルトチルドレンという言葉が、子供時代にアルコール依存の親のもとで育ったことなどにより大人になってもトラウマで悩み苦しんでいる人たちを意味することを古舘伊知郎氏が知っていたのかどうか分かりません。ただ、世間一般の認識ではアダルトチルドレンを精神医学的な意味ではなく「子供っぽい行動をする大人」という意味で捉えていることも少なくなく、古舘伊知郎氏が誤用して謝罪するまでアダルトチルドレンという言葉自体を知らなかった人も意外といるようです。しかし、アダルトチルドレンの中には社会生活に支障のない人もいますが、他人と親密な関係が持てず人間関係に悩んでいたり、心身症に苦しんでいたり、極度の心的苦しみから精神科的治療を必要とする人などもいるわけです。そんなアダルトチルドレン関係者を傷つけたとして古舘伊知郎氏の謝罪に至りましたが、これを機にもっと子育てや家庭内環境、児童福祉、そしてアダルトチルドレンの問題などについて一般の関心や理解が深まればと思います。